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修士論文について



卒論。。Dissertation..意外かと思われるかもしれませんが、下手すると、学期中のエッセーや、テストより、辛いかもしれません。理解したことを書くのがエッセーだと思いますが、Dissertationは、今まで勉強してきたものの集大成で、学んだ理論を実践、もしくわ新理論を開発するという内容になります。だから、生半可な理解では、前に進めません。よって、筋書き通り終えることができなくて、メチャクチャな状態で提出する人も、相当数いたと推測してます。思ったよりも難しいと思います。

では、筋書き通りに終えるとは、どういうことなのか?僕は、Positivism(実証主義的立場)の論文を書いたので、Southamptonでの、僕の実例に基づいて、時系列にポイントを述べて行きたいと思います。もちろん構成は人やテーマによって変わるので、参考程度でお願いします。


1、トピックの選定(3月中旬頃)

まず、第2セメスターでは、リサーチメソッドのコースを学ぶと思いますが、この途中で、トピック(暫定)を選定させられます。そして、そのトピックに基づいて、スーパーバイザーが割り当てられます。

ここでのポイント

このトピック選定は、実は相当重要です。なぜなら、スーパーバイザーが割り当てられてしまうと、その後の変更が難しく、スーパーバイザーがカバーできる範囲内のトピックにしか変更できなくなってしまうからです。なので、第2セメスターに入ったら、自分の興味のある分野と、その実践が可能かどうか、あらかじめ考えておいた方がいいでしょう。


2、スーパーバイザーとの初回面談(4月)

スーパーバイザーとの初面談では、恐らく更に踏み込んだトピックについて話すことでしょう。例えば、会計分野ですと、IFRSをやりたい → IFRSのリースの影響について調べる。といった具合です。それについて、どの文献やジャーナルを読むか、アドバイスをもらいます。


3、Research Proposal 着手(5月)

イースター期間中と、その後(4月~6月)は、試験や課題で忙しく、卒論に着手できません。ただ、リサーチプロポーザルがあるので、その期間は、いくつか卒論向けにジャーナルを読むことになります。ここで、Literature Reviewのおおまかな概要をつかむことが重要です。英語のジャーナルをいくつも読むことはできませんので、日本語で類似の文献を読んだのち、Key Journalを割り出し、それに特化して読み込むのも一つの手だと思います。ここで、自分のやりたい事ができるか、できないか判断しましょう。できなければ、自分のできる範囲内の研究に変えていくという勇気も必要だと思います。


4、Dissertation 着手 Literature Review (6月~7月末)

まず、Literature Reviewから取り組むことになります。トピックを決めて、今、その分野で何が起こっているのかを把握する必要があるからです。そして、卒論で使用する理論を選んだ際、自分の研究からどういう結果が予測されるのか、Hypothesis を組み立てますので、ここでじっくり研究しておきましょう。最初は、読みなれていないので、2-3ページ読んで力尽きてしまうかもしれません。しかし、2-3文献こなすうちに、徐々に慣れて、スピードアップしますので、辛抱強く読みましょう。


5、 Methodology (7月末~8月中旬)

まず、研究にあたり、研究材料を見たうえで、どのポジションを自分がとって、その真実に迫るかということを考えます。なぜ、実証主義でなければいけないのか?なぜ解釈主義的ではないのか?自分の研究を進めていくプロセスを俯瞰し、主義主張を明確にしましょう。例えば、研究テーマは、絶対的な真実か?どのようなアプローチか?と言ったことを説明します。そのうえで、Research Framework を組み立て、おおまかな理論の概要を説明します。次に、HypothesisLiterature Reviewを引き合いに組み立てていきましょう。


6、Result (8月中旬~下旬)

ここでは、シンプルに結果を述べましょう。特に、詳細や分析、考察については、後で述べます。


7、Discussion (8月下旬~9月初旬)

得られた結果と、なぜそうなったのかという原因を考察していきます。そして、当該研究で、できた事(わかった事)、できなかった事(欠点、わからなかった事)を明確にします。


8、 Conclusion とその他 (9月初旬~中旬)

自分のしたリサーチが、いったい全体、なんだったのか、シンプルに述べます。そして、リサーチを振り返った際に、どの点が注目すべきだったのか、再度述べます。そのうえで、Limitationを引き合いに出して、今後どういうリサーチをすれば良いのか、ということを述べ、終了となります。



その他、Introduction、Abstract、ReferenceやDiagramの整理、Proofreading、見直しなどもありますので、上記スケジュールでギリギリと思われます。卒論まで、無事辿り着いた人の力なら、火事場のくそ力的に、一日1000語近く書くこともできますが、精神的に負荷がかかるので、上記スケジュールを限界と考えた方が良さそうです。重要なことは、「自分の力量でできないことは、やらない」ということです。まず、分野と理論の選択で、卒論成功の可否は決まると思います。そうすれば、8月末ぐらいで終わることもできます。僕の感覚でいうと、3割ぐらいの人は、8月末で仕上げていたように思います(一番早い人は、7月末でした)。また、提出時、受付にサインする際、提出者リストを見たのですが、デッドライン2時間前なのに、1割程度の人が提出できていませんでした。なので、卒論は終わらないという恐怖もあるので、怖い人は、オーソドックスなアンケート式にするのが、良いかもしれません。